もうすぐお彼岸。
この時期になると、お墓参りのお花について「どんな花を供えればよいのだろう」とご質問をいただくことがあります。
かつては、お墓参りには「白い菊」が一般的とされてきました。菊は日持ちが良く、清らかな印象を持つ花であることから、葬儀や墓前に供える花として広く用いられてきたためです。
なお、白い菊を弔いの花として用いる文化は日本独自のものと思われがちですが、実は19世紀のフランスでも、日持ちの良さや栽培のしやすさから葬儀や墓所に白い菊が用いられていました。日本では明治時代頃から葬儀の場で菊が使われるようになり、やがて「お墓の花=菊」という印象が定着していったといわれています。
しかし、お彼岸に墓前へ供えるお花に、厳密な決まりがあるわけではありません。
現在では、菊を中心にしながらも、リンドウ、カーネーション、スターチス、トルコキキョウなど、彩りのある花を組み合わせたお供え花も多く見られるようになりました。大切なのは、派手すぎないこと、そして香りや花粉が強すぎないなど周囲への配慮です。
お墓参りのお花は、形式よりも「想い」が大切です。
故人が好きだった花を供える方もいれば、季節の花を持参される方もいらっしゃいます。
このお彼岸には、故人を想いながら、
「好きだった花」や「見ていると心が明るくなる花」を手に、お墓参りをされてみてはいかがでしょうか。
きっと、そのひとときが、故人との静かな対話の時間になるはずです。
