■ お墓は“名義人”の許可が必要
お墓は、法律上「祭祀財産(さいしざいさん)」と呼ばれる特殊な財産です。墓地の使用権や契約者は、通常“祭祀承継者”または“名義人”とされ、その人に管理と意思決定の権限があります。つまり、「誰を納骨するか」も基本的には名義人の承諾がなければなりません。たとえ親族であっても、名義人の同意を得ずに勝手に納骨することは、法律的にはトラブルの元です。
実際に「勝手に納骨された」「名義人に無断で遺骨を入れられた」といった相談は年々増えています。法律上、遺骨は“物”ではなく、遺族の心情や宗教的意義が重視されるため、裁判などに発展すると非常に繊細な扱いが求められます。
■ 墓じまい・納骨前には「確認と合意」を
お墓は一族の心の拠り所であると同時に、法的にも所有や管理がはっきりと決まっています。墓じまいや納骨を進める前に、「名義人は誰か」「関係者と合意は取れているか」「霊園や寺院のルールに沿っているか」をきちんと確認することが大切です。
感情のもつれや思い込みで進めてしまうと、後々大きな争いにつながりかねません。家族や親族の関係を壊さないためにも、「話し合い」と「手続きの正確さ」を大切にしてください。